FX・CFDとは?仕組み・レバレッジ・リスクを初心者向けに解説

FX・CFDの仕組みから、取引コスト、注文の種類、リスクまで

/執筆:タイアンブリッジ編集部/情報は執筆時点のものです。取引条件は変更されることがあるため、利用前に各業者の公式情報をご確認ください。

FX・CFDの基本用語と仕組み

第1章 FX・CFDの基本

1.1 外国為替とは

外国為替とは、円とドルのように、異なる国の通貨を交換することです。そのときの交換の比率を「為替レート」といいます。
為替レートは、各国の景気や金利、政治の動き、そして通貨を買いたい人と売りたい人のバランスによって、常に動いています。

1.2 FX取引とは

FXは、為替レートの値動きを利用して利益をねらう取引です。日本では「外国為替証拠金取引」とも呼ばれます。
ある通貨を買うときは、同時に別の通貨を売ることになり、二つの通貨の価値がどう変わったかで損益が決まります。

1.3 CFDとは

CFD(差金決済取引)は、株価指数や金、原油などを実際に持つことなく、買ったときと売ったときの価格の差額だけをやり取りする仕組みです。

1.4 FXとCFDの関係

個人が行うFXでは、実際に通貨を受け取ることはなく、為替レートの差額だけをやり取りします。仕組みはCFDとほぼ同じで、海外の業者では、FXをCFDの一種として扱っていることも少なくありません。
ただし日本の制度では、FXとCFDは別の取引として区別されていて、レバレッジの上限なども異なります。

第2章 市場の仕組み

2.1 取引所のない「店頭市場」

FX市場には、株式市場のような1つの取引所がありません。世界中の銀行や証券会社、FX業者などが、ネットワークを通じて直接取引しています。
このような市場を「店頭市場(OTC)」といいます。

2.2 市場に参加している人たち

FX市場には、各国の中央銀行や銀行、ヘッジファンドなどの大きな機関から、業者を通じて取引する個人投資家まで、さまざまな参加者がいます。

2.3 取引できる時間

FXは、平日であれば24時間取引できます。世界の主な金融市場が、時差によって次々に開くためです。
・シドニー
・東京
・ロンドン
・ニューヨーク
2つの市場が重なる時間帯は、取引が活発になりやすくなります。土日は市場が休みになります。

2.4 CFDの取引の仕組み

CFDの多くは、取引所を通さず、お客さまと業者の1対1の契約として行われます。取引の相手は業者で、価格も業者が市場の動きをもとに決めています。

第3章 通貨ペアと価格の見方

3.1 通貨ペアとは

FXでは、必ず2つの通貨を組み合わせた「通貨ペア」で取引します。
「USD/JPY(米ドル/円)」のように表し、左側を「基軸通貨」、右側を「決済通貨」といいます。

3.2 通貨ペアの種類

通貨ペアは、大きく3つに分けられます。
・メジャー通貨ペア:米ドルを含み、取引量が特に多いもの(ユーロ/米ドル、米ドル/円、ポンド/米ドルなど)
・クロス通貨ペア:米ドルを含まない、主要な通貨どうしの組み合わせ(ユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/ポンドなど)
・エキゾチック通貨ペア:トルコリラや南アフリカランドなど、新興国の通貨を含むもの(米ドル/トルコリラ、米ドル/南アフリカランドなど)

3.3 レートの読み方

「USD/JPY = 150.00」は、1米ドルを買うのに150円が必要、という意味です。
左側の通貨1単位が、右側の通貨でいくらになるかを表しています。

3.4 売値(Bid)と買値(Ask)

業者は、いつも2つの価格を同時に表示しています。
・Bid(ビッド):売るときの価格
・Ask(アスク):買うときの価格
Askのほうが少し高く設定されていて、この差が「スプレッド」です(7.1参照)。

第4章 取引の単位

4.1 pip(ピップ)

pip(ピップ)は、為替レートの値動きを表すときの基本の単位です。
・円を含む通貨ペア:小数点以下2けた目(例:150.00→150.01で1pip)
・円を含まない通貨ペア:小数点以下4けた目(例:1.0850→1.0851で1pip)
円を含む通貨ペアでは、1pipは1銭にあたります。

4.2 ピペット

ピペットは、pipの10分の1の単位です。円を含む通貨ペアでは小数点以下3けた目、円を含まない通貨ペアでは5けた目にあたります。
業者によっては、この細かさまで価格を表示しています。

4.3 ロット

ロットは、取引する量を表す単位です。
・スタンダードロット:10万通貨
・ミニロット:1万通貨
・マイクロロット:1,000通貨
・ナノロット:100通貨
1ロットの大きさは業者によって違うことがあるので、取引の前に確認しましょう。

4.4 1pipあたりの損益

為替レートが1pip動いたとき、損益がいくら出るのかを表したものです。取引量が多いほど大きくなり、米ドル/円を10万通貨取引している場合は、1pipで1000円の損益になります。

第5章 レバレッジと証拠金

5.1 レバレッジ

レバレッジは、預けた資金の何倍の金額まで取引できるかを表すものです。たとえば「100倍」なら、10万円の資金で1,000万円の取引ができます。
利益が増える可能性があるぶん、損失も同じようになります。なお、国内の業者では、個人のFX取引のレバレッジは最大25倍と決められています。

5.2 証拠金

証拠金は、レバレッジをかけて取引する際に、業者に預け入れる資金です。ポジションを保有するための担保の役割です。

5.3 レバレッジと必要な証拠金

取引に必要な証拠金の割合は、レバレッジによって決まります。
・レバレッジ100倍:取引額の1%
・レバレッジ50倍:取引額の2%
・レバレッジ25倍:取引額の4%
・レバレッジ10倍:取引額の10%

5.4 証拠金に関する用語

取引画面には、証拠金に関する数字がいくつか表示されます。それぞれの意味は以下のとおりです。
・有効証拠金:口座の残高に、保有中のポジションの評価損益を足した金額
・必要証拠金:いま持っているポジションを維持するために必要な金額
・余剰証拠金:新しい取引に使える金額(有効証拠金−必要証拠金)
・証拠金維持率:有効証拠金が、必要証拠金の何%あるかを表したもの

5.5 マージンコールとロスカット

・マージンコール:証拠金維持率が一定の水準まで下がったときに、業者から届く、入金や取引量の調整を求める警告
・ロスカット(強制決済):証拠金維持率がさらに下がり、決められた水準を下回ったときに、業者が自動的にポジションを決済する仕組み

第6章 買いと売り

6.1 買いポジション(ロング)

買いポジション(ロング)は、通貨ペアの左側の通貨が値上がりすると予想して買う取引です。
予想どおり上がれば利益、下がれば損失になります。

6.2 売りポジション(ショート)

売りポジション(ショート)は、通貨ペアの左側の通貨が値下がりすると予想して売る取引です。下がれば利益、上がれば損失になります。
CFDは実際の資産を持たない取引なので、株価指数や金なども、買いと同じ手順で「売り」から始められます。

6.3 決済

持っているポジションを終えることを「決済」といいます。
買いポジションは売って、売りポジションは買い戻して決済します。

第7章 取引にかかるコスト

7.1 スプレッド

スプレッドは、買うときの価格(Ask)と売るときの価格(Bid)の差です。取引するたびにかかる、実質的な手数料にあたり、pipで表示されるのが一般的です。
スプレッドには、2つのタイプがあります。
・固定スプレッド:相場の状況にかかわらず、原則として同じ幅に保たれるもの
・変動スプレッド:取引量や値動きの大きさによって、幅が変わるもの
経済指標の発表直後のように値動きが激しい時や、早朝など取引が少ない時間帯は、スプレッドが広がりやすくなります。

7.2 取引手数料

ECN口座など一部の口座では、スプレッドとは別に、取引量に応じた手数料がかかります。
その分、スプレッドは狭く設定されていることが多いです。

7.3 スワップ

スワップは、ポジションを翌日まで持ち越したときに発生する、2つの通貨の金利差に相当する金額です。通貨ペアと売買の方向によって、受け取れる場合と支払う場合があります。
多くの海外業者では、ニューヨーク時間の午後5時(日本時間の午前7時、夏時間は午前6時)を過ぎてポジションを持っていると、土日の分もまとめて計算されるため、3日分のスワップがかかるのが一般的です。

7.4 スリッページ

スリッページは、注文したときの価格と、実際に取引が成立した価格のずれのことです。
経済指標の発表直後のように相場が急に動くときに起こりやすく、注文した価格より不利な価格で取引が成立することもあります。

第8章 注文の種類

8.1 成行注文

成行注文は、価格を指定せず、そのときの価格ですぐに取引する方法です。

8.2 指値注文・逆指値注文

指値注文・逆指値注文は、「この価格になったら取引する」と、あらかじめ条件を決めておく注文です。
・Buy Limit(指値買い):注文時より安い価格になったら買う
・Sell Limit(指値売り):注文時より高い価格になったら売る
・Buy Stop(逆指値買い):注文時より高い価格になったら買う
・Sell Stop(逆指値売り):注文時より安い価格になったら売る

8.3 ストップロス(損切り)

ストップロスは、損失があらかじめ決めた金額に達したら、自動的に決済する注文です。それ以上の損失を防ぐために、取引のたびに設定しておくと安心です。
ただし、相場が急に動いたときは、設定した価格で決済されないこともあります(14.5参照)。

8.4 テイクプロフィット(利益確定)

テイクプロフィットは、利益があらかじめ決めた金額に達したら、自動的に決済する注文です。

8.5 トレーリングストップ

トレーリングストップは、価格が有利な方向に進むのに合わせて、ストップロスの位置を自動で動かしていく注文です。
利益を守りながら、さらに伸ばしたいときに使われます。

第9章 CFDで取引できるもの

9.1 外国為替CFD

メジャー、クロス、エキゾチックなど、さまざまな通貨ペアを対象にしたCFDです。

9.2 株価指数CFD

日経平均、S&P500、ナスダック100、ダウ平均、FTSE100、DAXなど、各国の代表的な株価指数を対象にしたCFDです。

9.3 株式CFD

個別の企業の株価を対象にしたCFDです。実際に株を持つわけではないので、株主としての議決権はありません。
業者によっては、配当にあたる金額(配当相当額)を受け取れることもあります。ただし、売りポジションの場合は、反対に支払いになります。

9.4 商品CFD

金・銀・プラチナなどの貴金属、原油や天然ガスなどのエネルギー、小麦・トウモロコシ・大豆などの農産物を対象にしたCFDです。

9.5 債券CFD

米国債やドイツ国債など、主要国の国債先物の価格に連動するCFDです。

9.6 暗号資産CFD

ビットコインやイーサリアムなど、暗号資産の値動きを対象にしたCFDです。
ほかの資産に比べて価格が大きく動きやすく、注意が必要です。

第10章 取引ツール

10.1 MetaTrader 4(MT4)

2005年に登場した、FX向けの取引ツールです。チャート分析や自動売買(EA)、自分で選んだ分析ツールを追加することもでき、多くの海外業者で使われています。

10.2 MetaTrader 5(MT5)

2010年に登場した、MT4の後継版です。FXだけでなく、株式や先物なども取引でき、チャートの時間足や注文の種類も増えています。

10.3 cTrader

ECN方式の取引に向いたツールです。どの価格にどれだけ注文が入っているかを示す「板情報」を確認できます。

10.4 業者独自の取引ツール

業者が独自に開発した取引ツールです。ブラウザで使えるものや、パソコンにインストールするもの、スマートフォンのアプリなどがあります。

第11章 相場の分析方法

11.1 ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ分析は、景気や金利、政治の動きなどから、通貨の価値を判断する方法です。ニュースでよく耳にする、次のような指標が手がかりになります。
・各国の中央銀行の政策金利と金融政策
・GDP(国内総生産)の伸び
・消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)
・雇用統計(米国の非農業部門雇用者数など)
・貿易収支、経常収支
・消費者信頼感指数、製造業PMI

11.2 テクニカル分析

テクニカル分析は、過去の値動きや取引量をもとに、今後の価格がどう動くかを予想する方法です。よく使われるものには、次のようなものがあります。
・チャートの種類:ローソク足、バーチャート、ラインチャート
・トレンドを見るもの:トレンドライン、チャネル、移動平均線
・売買の目安になる線:サポートライン、レジスタンスライン
・テクニカル指標:RSI、MACD、ストキャスティクス、ボリンジャーバンド、一目均衡表など
・チャートパターン:ヘッドアンドショルダー、ダブルトップ・ダブルボトム、三角保ち合いなど
・そのほかの分析手法:エリオット波動、フィボナッチ・リトレースメント

11.3 センチメント分析

センチメント分析は、市場の「雰囲気」を読む方法です。
市場に参加している人たちが、買いと売りのどちらに傾いているかを見る方法です。
米国のCOTレポート(建玉明細)や、個人投資家の売買の比率などが使われます。

第12章 取引口座の種類

12.1 スタンダード口座

最も一般的な口座です。取引のコストはスプレッドに含まれていて、別に手数料がかからないことが一般的です。

12.2 ECN口座

銀行間の取引に近い、狭いスプレッドが使える口座です。その分、取引量に応じた手数料がかかります。

12.3 STP口座

お客さまの注文を、業者が銀行などの取引先(リクイディティプロバイダー)にそのまま流す方式の口座です。手数料はかからず、コストはスプレッドに含まれているのが一般的です。

12.4 イスラム口座(スワップフリー口座)

イスラム法(シャリーア)で利息のやり取りが禁じられていることに配慮して、スワップが発生しないようにした口座です。

12.5 デモ口座

仮想の資金を使って、実際の相場で取引を練習できる口座です。
ただし、自分のお金がかかったときの感覚は、デモでは試せません。

第13章 取引のスタイル

13.1 ポジションを持つ期間で分ける

ポジションを持つ期間によって、取引のスタイルが分かれます。
・スキャルピング:数秒〜数分で決済する、とても短い取引
・デイトレード:その日のうちに決済する
・スイングトレード:数日〜数週間ポジションを保有する
・ポジショントレード:数週間〜数か月ポジションを持つ、長めのスタイル
スキャルピングを制限している業者もあるので、利用規約を確認しておきましょう。

13.2 注文の出し方で分ける

注文をだれが出すかによっても、取引の方法が分かれます。
・手動取引:自分で判断して注文を出す方法
・自動売買:あらかじめ決めたルールにしたがって、プログラムが自動で注文する方法
・コピートレード:ほかの人の取引を、そのまま自分の口座でまねる方法

第14章 主なリスク

14.1 市場リスク

相場が予想と反対に動き、損失が出るリスクです。

14.2 レバレッジのリスク

レバレッジをかけると、小さな値動きでも、預けた資金に対して大きな損益が出ます。相場が予想と反対に動いた場合、短い時間で多く失う可能性もあります。

14.3 流動性リスク

取引する人が少ないときに、思った価格で売買できないリスクです。早朝や年末年始、マイナーな通貨ペアを取引するときなどに起きやすくなります。

14.4 業者の信用リスク

取引している業者が経営破綻した場合などに、預けたお金が戻ってこないリスクです。
海外の業者は、日本の制度による資金の保護が受けられないこともあるため、業者選びは慎重に行いましょう。

14.5 窓開け(ギャップ)のリスク

週末など市場が休んでいる間に大きなニュースがあると、週明けの価格が大きく離れて始まることがあります。これを「窓開け」といいます。
ストップロスを設定していても、決めた価格で決済されず、損失が膨らむ可能性があります。

14.6 システムのリスク

取引ツールの不具合や、インターネットの接続トラブルなどで、取引ができなくなったり、注文がうまく通らなかったりするリスクです。

第15章 各国の金融当局

FX・CFDの業者は、各国の金融当局から認可を受け、監督されています。主な当局は次のとおりです。
・日本:金融庁(FSA)
・米国:商品先物取引委員会(CFTC)、全米先物協会(NFA)
・英国:金融行動監視機構(FCA)
・オーストラリア:オーストラリア証券投資委員会(ASIC)
・EU:欧州証券市場監督機構(ESMA)と各国の金融当局
・キプロス:キプロス証券取引委員会(CySEC)
・シンガポール:シンガポール金融管理局(MAS)
・韓国:金融委員会、金融監督院
どの国の認可を受けているかは、選ぶときの大事な判断材料になります。